金曜コラム「景気ウオッチャー調査」
金曜コラム「景気ウオッチャー調査」
10月8日の14時に9月の景気ウオッチャー調査が公表されました。
先日もお伝えしましたが、日銀短観に比べて、より販売の現場に近い人が回答するというところが、この調査の特徴になります。
今回の調査結果は、
1「9月の現状判断DIは、前月に対し横ばいの47.4となった。」
2「9月の先行き判断DIは、前月比1.7ポイント低下の48.7となり、4か月連続で低下した。」
3「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある。ただし、先行きについては、エネルギー価格等の上昇への懸念等がみられる」
という3点が、ポイントになります。
まず、最初の1ですが、現状判断DIというのは、景気が良いと思った人と、悪いと思った人の割合を示すものです。50で中立、景気が良いともった人と悪いと思った人が同数だったということになり、40ポイント台ということは景気が悪いと思った人がやや多いことを示します。
消費税増税しているのだから、当然ではないかと思われるかもしれませんが、そうでもありません。実は、この調査は、3か月前に比べて景気が良くなったかどうかを聞いているので、比べている対象は消費税増税後の今年6月になります。
これをお伝えしますと、多くの人が疑問に思われるのが、では、なぜ「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある。」という3のまとめがされているのでしょうか?ということだと思います。
このまとめは、内閣府でつくられたものですから、私も答えにくいのですが、無理やり回答をしますと、5月と6月のDIに差があるためです。5月のDIは、45.1という数字でした。6月は、47.7という数字です。ですから、6か月前から比較したDIを算出すると8月は、45.1×47.4/50で42.8に対して、9月は、47.7×47.4/50で45.2となるため回復していると言えないこともないということになります。
しかし、内閣府も素直に認めないといけなかったのは、先行きの見通しが落ち込んでいるという事実です。
先行きのDIは、逆に3カ月先に景気が良くなっていると思う人と、悪くなっていると思う人の差を示すものです。4月から8月まで一貫して、50ポイントを超えていて、消費税増税の反動で落ち込んでいるけど、回復するはずだと思っている人が多かったことを示していました。
ところが、9月になり、ついにマイナスを示す48.7に落ち込んでしまいました。
こうなりますと、消費税増税を含めた様々な要因でさらに消費が落ち込むと考えている人が多いということになります。
これは、とても大変な状況となっていることを示しています。
特に消費税の影響を受けやすい小売業や住宅販売業で、大きく値を下げてしまっています。今後とも売り上げは回復しないとしたなら、大慌てで人材を確保しないといけないという動機も薄れてしまいますし、そうなりますと、働く人の所得も増えませんから、消費も伸びてこないでしょう。
小売りの方々にとって、消費税の増税は生活に大きく関係する重要なことです。
だからこそ、消費税という問題を、自分の問題と考えて、強い関心を持っておられると思うのです。