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金曜コラム「ステージの変わる世界」

昨日、プロ野球のドラフト会議が開催されましたね。

プロ野球は、野球人にとってはあこがれの舞台です。ですから、就業条件などあまり関係なくても、人がやってきます。とはいえ、Jリーグが開幕した頃、サッカーに子どもたちを取られてしまうという懸念が、野球界に広がっていた時期もありました。

 

この頃が、プロ野球の選手の年俸が高騰した時期でもありました。

Jリーグ開幕前は、落合選手が1億円を超えてすげぇと言っていた時代でした。それからの20年でプロ野球の総年俸は3倍になりましたが、これは競合するJリーグ、そして大リーグの存在が大きかったと言えます。

 

無論、プロ野球のチケットが3倍になったわけでも、来場者が3倍になったわけでも、おそらくはグッズの売上が3倍になったわけでもないでしょうから、間違いなく経営は厳しくなっているでしょう。

 

しかし、人を雇うためにお金をかけなければライバルと戦えないのであれば、経営が苦しくなったとしても、お金を人に掛けざるを得なくなるのです。

 

長く不況にありました日本は、昨年、景気回復の兆しが見え始めました。これにより働く人の確保をどのように行うかという新たなステージでの戦いを余儀なくされるようになりました。

 

消費税増税で、この機運が失われつつありますが、仮に消費税増税を延期し、景気対策を行え、成長路線に戻ってくることがあれば、この戦いは激化していくことになります。

 

プロ野球であれば厳格なルールの中で戦いをしていますから、高い質の人材を集めざるを得ません。当たり前ですが、例えば守備だけする人、走る人、打つ人を9人ずつ雇って、人材の質より量で勝負するということはできません。ですから、プロとして一定レベルで守備ができて、走れて、打てて、その中でも突出したものを持っているという千人、万人に一人の逸材を高いお金を掛けてでも確保しなければなりません。

 

一般の小売店などでは、そういうルールはありません。品出しをする人、レジをうつ人と分けても良いのです。(無駄のようにも思いますが。)また、バイトとして雇うのであれば100人のうち90人くらいは、対応できるようなレベルでの指導ができるようなノウハウが蓄積されているでしょう。

 

その意味ではプロ野球ほど、稀有な人材を求める必要はないのですが、一方でプロ野球が求める人材はせいぜい100人ですが、小売店が一年間に必要としている人材は10万人とかの単位で必要になりますから、人材の枯渇は、やはり起こりえるのです。

 

人材が枯渇していく中で、考えないといけないのは、どのようにして一人あたりの労働生産性を高めていくかということです。アルバイトさんに高い賃金を支払おうと思うのなら、アルバイトさんがより多く利益に貢献してくれなければ経営は成り立っていきません。

 

コンビニなどで言えば、深夜帯、品出しとか、納品の受け取りなどの業務はあるものの、やはり利益率が高くないという店舗も多いでしょう。そういう店舗において、24時間という付加サービスが今後とも切り札となるのかということも考えていかないのかもしれません。

 

野球であれば、例えば投手登録されている20人が、今年よりも来年、一つずつ勝利を積み上げ、負けを減らすことが出来れば、今年最下位のチームも優勝圏内に入ります。そうなれば選手に10%位の報酬アップをしても経営は成り立つでしょう。

 

ところが、小売業、コンビニではなかなか、そういう成果は出にくいでしょう。正直なところ、コンビニの店長やオーナーにとって良いバイトは、休まないバイトだと思います。なかなか労働生産性というところまで考えるのは難しいと思うのです。

 

しかし、今後、労働生産性が企業の生き残りを分ける時代が来るように思えるのです。そういったことを漠然とでも考えながら、成果をすぐに見極めることのできるスポーツの球団社長とかGMは楽で良いなぁと、何となくでも考えて貰えたらと思います。

 


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